ミネラルウォーターはNG?硬度やナトリウム量に要注意!
- えふ子
- 2024年9月27日
- 読了時間: 13分

私たち人間にとって、水は欠かせないものですが、それは愛犬にとっても同じです。
犬の健康維持には、適切な水分補給が欠かせません。
しかし、どんな水をどれくらい、どのように与えれば良いのか、意外と知らない飼い主さんも多いのではないでしょうか?
この記事では、犬にとって最適な水の種類、適切な水の量や温度、与え方、そして水分補給と健康の関係について詳しく解説します。
愛犬の健康を守るために、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
目次
なぜ犬に水分補給が必要なの?:水分の役割と不足のリスク
体温調節:暑い夏を乗り切るために
栄養運搬と老廃物排出:健康な体作りをサポート
その他の役割:関節の潤滑や消化促進にも
水分不足が引き起こすトラブル:脱水症状、熱中症、腎臓病など
犬に最適な水はどれ?:軟水?硬水?水道水?
軟水と硬水:犬にとっての違いとは?
水道水:手軽だけど注意点も
ミネラルウォーター:種類と選び方のポイント
ペットボトルの水:安全性と注意点
その他の選択肢:浄水器やウォーターサーバー
犬への水の与え方:量・温度・タイミングが重要!
適切な水の量:年齢や活動量に合わせて
水の温度:季節ごとの調整も忘れずに
与え方:いつでも新鮮な水を
水分摂取を促す工夫:食事やおやつを活用
水分補給と健康:愛犬の体調をチェック!
水分摂取量をチェックするポイント
水分補給に関する注意点:運動後や食事中など
まとめ:愛犬の健康は毎日の水分補給から
なぜ水分補給が必要なの?:水分の役割と不足のリスク
体温調節:暑い夏を乗り切るために
犬は、私たち人間のように汗をかいて体温調節することができません。その代わりに、**パンティング(口を開けて浅く速い呼吸をすること)**によって体温を調節します。このパンティングの際に、体内の水分が蒸発することで体温を下げるため、特に暑い時期には多くの水分を必要とします。
栄養運搬と老廃物排出:健康な体作りをサポート
水は、体内で消化された栄養素を各細胞に運び、エネルギー源として利用できるようにする役割を担っています。また、腎臓を通じて老廃物を尿として体外に排出するのも水の役割です。
その他の役割:関節の潤滑や消化促進にも
水は、関節の潤滑油としての役割も果たし、スムーズな動きをサポートします。また、消化を助け、便秘を防ぐ効果もあります。
水分不足が引き起こすトラブル:脱水症状、熱中症、腎臓病など
犬の体内の水分が不足すると、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
脱水症状:
軽度:元気がなくなる、食欲がなくなる、皮膚の弾力がなくなる
中等度:ぐったりする、嘔吐、下痢
重度:意識障害、ショック状態、最悪の場合は死に至ることも
熱中症:
特に夏場など、気温が高い環境では、水分不足によって熱中症になるリスクが高まります。
症状:体温の上昇、呼吸が速くなる、ぐったりする、嘔吐、下痢、痙攣など
重症化すると、多臓器不全や意識障害に陥り、命に関わることもあります。
腎臓病:
慢性的な水分不足は、腎臓に負担をかけ、腎臓病を引き起こす可能性があります。
症状:尿の量が増えたり、逆に減ったり、食欲不振、嘔吐、体重減少など
尿路結石:
水分不足は、尿路結石のリスクを高める可能性があります。
症状:血尿、排尿困難、頻尿、痛みによる鳴き声など
便秘:
水分不足は、便が硬くなり、便秘を引き起こす可能性があります。
症状:食欲不振、嘔吐、腹痛、排便時の苦痛など
これらの健康問題は、愛犬の生活の質(QOL)を著しく低下させるだけでなく、命に関わることもあります。日頃から適切な水分補給を心がけ、愛犬の健康を守りましょう。
犬に最適な水はどれ?:軟水?硬水?水道水?
愛犬に与える水は、健康に直接影響を与えるため、慎重に選ぶ必要があります。ここでは、犬にとって最適な水の種類について、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら解説していきます。
軟水と硬水:犬にとっての違いとは?
水は、含まれるミネラルの量によって、軟水と硬水に分けられます。
軟水: ミネラル含有量が少なく、口当たりがまろやかです。日本の水道水は、ほとんどが軟水です。
硬水: ミネラル含有量が多く、カルシウムやマグネシウムなどが豊富に含まれています。ヨーロッパなどでは、硬水が主流です。
犬にとって、一般的には軟水が適しているとされています。硬水を過剰に摂取すると、尿路結石や下痢などのリスクが高まる可能性があるためです。特に、尿路結石の既往歴がある犬や、結石ができやすい犬種(ダルメシアン、ミニチュア・シュナウザーなど)は、軟水を選ぶようにしましょう。
水道水:手軽だけど注意点も
日本の水道水は、厳しい水質基準をクリアしており、基本的には犬に与えても問題ありません。しかし、地域によっては硬度が高かったり、塩素の臭いが気になる場合があります。
硬度が高い場合:
尿路結石のリスクが高まる可能性があります。浄水器を使用したり、軟水のミネラルウォーターを与えるなどの対策を検討しましょう。
塩素の臭いが気になる場合:
一度沸騰させて塩素を飛ばしてから与えるか、浄水器を使用することで臭いを軽減できます。
ミネラルウォーター:種類と選び方のポイント
ミネラルウォーターは、ミネラル補給ができるというメリットがありますが、犬に与える際には注意が必要です。
軟水を選ぶ: 硬度が低い水を選びましょう。目安としては、硬度100mg/L以下のものがおすすめです。
ナトリウム含有量が少ないものを選ぶ: ナトリウムの過剰摂取は、心臓や腎臓に負担をかける可能性があります。100mlあたり10mg以下のものを選びましょう。
成分表示をよく確認する: ミネラルウォーターの成分表示をよく確認し、犬に適さない成分が含まれていないか確認しましょう。特に、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、硫酸塩などの含有量には注意が必要です。
ペットボトルの水を選ぶ: ペットボトルの水は、殺菌処理がされており、安全性が高いです。
ペットボトルの水:安全性と注意点
ペットボトルの水は、未開封であれば安全性は高いですが、開封後は雑菌が繁殖しやすいため、注意が必要です。
冷蔵庫で保管: 開封後は、冷蔵庫で保管し、2~3日以内に使い切るようにしましょう。
こまめな交換: 水飲み場に入れた水は、こまめに交換し、常に新鮮な水を供給しましょう。
直射日光を避ける: 直射日光が当たる場所に放置すると、水の温度が上昇し、雑菌が繁殖しやすくなります。
その他の選択肢:浄水器やウォーターサーバー
水道水やミネラルウォーター以外にも、犬に与えることができる水があります。
浄水器を通した水: 浄水器を使用することで、水道水に含まれる塩素や不純物を取り除くことができます。ただし、浄水器の種類によっては、必要なミネラルまで除去してしまう場合があるので、注意が必要です。
ウォーターサーバーの水: ウォーターサーバーの水は、ろ過や殺菌処理がされており、安全性が高いです。ただし、天然水の場合、硬度が高めのものもあるため、注意が必要です。
井戸水: 井戸水は、地域によって水質が大きく異なるため、犬に与える前に水質検査を行うことをおすすめします。
犬への水の与え方:量・温度・タイミングが重要!
愛犬に水を与える際には、適切な量、温度、タイミングを守ることが大切です。
適切な水の量:年齢や活動量に合わせて
一日に必要な水の量は、体重1kgあたり50~100mlが目安となります。しかし、これはあくまで一般的な目安であり、年齢、活動量、気温、食事内容などによって調整する必要があります。
子犬や老犬: 子犬や老犬は、脱水症状を起こしやすいため、こまめな水分補給が必要です。
活動的な犬: 運動量が多い犬は、多くの水分を必要とします。
暑い時期: 気温が高い時期は、いつもよりも多くの水分を与えるようにしましょう。
ドライフード: ドライフードを食べている犬は、ウェットフードを食べている犬よりも多くの水分を必要とします。
犬への水の与え方:量・温度・タイミングが重要!
愛犬に水を与える際、ただ水を用意するだけでは不十分です。適切な量、温度、タイミングで与えることで、愛犬の健康を維持し、水分補給をスムーズに行うことができます。
適切な水の量:年齢や活動量に合わせて
犬に必要な水の量は、体重1kgあたり50~100mlが目安となります。しかし、これはあくまで一般的な目安であり、年齢、活動量、気温、食事内容などによって調整する必要があります。
年齢: 子犬や老犬は、脱水症状を起こしやすいため、こまめな水分補給が必要です。特に子犬は、成長期に多くの水分を必要とするため、体重1kgあたり100mlを目安に与えましょう。老犬は、腎臓機能が低下している場合があるため、獣医師に相談して適切な量を決めましょう。
活動量: 運動量が多い犬は、多くの水分を必要とします。散歩や遊びの後には、十分な水分補給をさせてあげましょう。
気温: 暑い時期は、いつもよりも多くの水分を与えるようにしましょう。特に、夏場はこまめな水分補給が熱中症予防に繋がります。
食事内容: ドライフードを食べている犬は、ウェットフードを食べている犬よりも多くの水分を必要とします。ドライフードを与える場合は、意識的に水分補給を促すようにしましょう。
水の温度:季節ごとの調整も忘れずに
犬に与える水の温度は、季節によって調整することが大切です。
夏場: 冷たい水は、犬の体温を下げるのに役立ちます。ただし、氷水のように冷たすぎる水は、内臓に負担をかける可能性があるので避けましょう。冷蔵庫で冷やした水や、常温の水がおすすめです。
冬場: 冷たい水は、犬の体を冷やし、体調を崩す原因になることがあります。人肌程度のぬるま湯を与えましょう。特に、子犬や老犬は、体温調節機能が未発達または低下しているため、注意が必要です。
与え方:いつでも新鮮な水を
犬がいつでも新鮮な水を飲めるように、以下の点に注意しましょう。
水飲み場の清潔さ: 水飲み場は、毎日洗浄し、常に清潔な状態を保ちましょう。水垢やヌメリが付着していると、犬は水を飲みたがりません。
水の交換頻度: 水は時間が経つと、味や香りが変化し、犬が飲まなくなることがあります。少なくとも1日1回は水を交換し、常に新鮮な水を供給しましょう。
水飲み場の数: 特に多頭飼いの場合は、複数の水飲み場を設置し、どの犬も自由に水を飲めるようにしましょう。
水飲み場の場所: 犬がいつでもアクセスしやすい場所に水飲み場を設置しましょう。特に、子犬や老犬、足腰の弱い犬は、移動が困難な場合があるので、注意が必要です。
水分摂取を促す工夫:食事やおやつを活用
犬が積極的に水を飲まない場合は、以下の工夫を試してみましょう。
ウェットフードを与える: ウェットフードには、水分が多く含まれているため、水分補給に役立ちます。ドライフードにウェットフードを混ぜたり、トッピングとして加えたりするのもおすすめです。
おやつに水分を含ませる: 犬用のおやつの中には、水分を含ませることができるものがあります。これらのおやつを与えることで、水分補給を促すことができます。
フードにお湯をかける: ドライフードにお湯をかけることで、香りが立ち、食欲と同時に水分摂取を促すことができます。ただし、熱すぎるお湯は避け、人肌程度の温度に冷ましてから与えましょう。
水に風味をつける: 水に少量の鶏肉の茹で汁や、犬用のスープなどを加えることで、風味が増し、犬が水を飲みやすくなります。ただし、塩分や糖分、添加物には注意が必要です。
水分補給と健康:愛犬の体調をチェック!
愛犬の水分摂取量が適切かどうかを判断するためには、日頃から以下のポイントをチェックすることが大切です。
尿の色や量:
健康な犬の尿は、薄黄色で適度な量があります。
尿が濃かったり、量が少なかったりする場合は、水分不足の可能性があります。
反対に、尿が透明で、量が多い場合は、水を飲みすぎている可能性があります。
皮膚の弾力:
犬の首の後ろの皮膚を軽くつまんで、すぐに元に戻るかどうかを確認しましょう。
皮膚の弾力がなく、戻りが遅い場合は、脱水症状の可能性があります。
口の渇き具合:
犬の歯茎や舌を触って、湿っているかどうかを確認しましょう。
乾いている場合は、水分不足の可能性があります。
これらのチェックポイントに加え、愛犬の普段の様子をよく観察することも大切です。元気がない、食欲がない、ぐったりしているなどの症状が見られた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
水分補給と健康:愛犬の体調をチェック!
愛犬が毎日元気に過ごすためには、適切な水分補給が欠かせません。しかし、水を飲んでいるからといって安心はできません。愛犬の水分摂取量が適切かどうかを判断するためには、日頃から以下のポイントをチェックすることが大切です。
水分摂取量をチェックするポイント
尿の色や量:
健康な犬の尿は、薄黄色で適度な量があります。
尿が濃かったり、量が少なかったりする場合は、水分不足の可能性があります。
反対に、尿が透明で、量が多い場合は、水を飲みすぎている可能性がありますので、一度に大量の水を飲ませないように注意しましょう。
皮膚の弾力:
犬の首の後ろの皮膚を軽くつまんで、すぐに元に戻るかどうかを確認しましょう。
皮膚の弾力がなく、戻りが遅い場合は、脱水症状の可能性があります。
特に、夏場や運動後など、水分が失われやすい状況では、こまめにチェックするようにしましょう。
口の渇き具合:
犬の歯茎や舌を触って、湿っているかどうかを確認しましょう。
乾いている場合は、水分不足の可能性があります。
また、口の中がネバネバしている場合も、脱水症状のサインかもしれません。
これらのチェックポイントに加え、愛犬の普段の様子をよく観察することも大切です。元気がない、食欲がない、ぐったりしているなどの症状が見られた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
水分補給に関する注意点:運動後や食事中など
水分補給は大切ですが、タイミングや与え方には注意が必要です。
運動直後の大量摂取はNG: 運動直後に大量の水を飲むと、胃が拡張したり、嘔吐する可能性があります。運動後は、少量ずつ、こまめに水分補給をさせてあげましょう。
冷たい水の与えすぎに注意: 特に夏場は、冷たい水が美味しく感じますが、与えすぎると内臓を冷やし、下痢などの原因になることがあります。常温の水か、少し冷やした程度の水を与えるようにしましょう。
食事中の水分摂取は控えめに: 食事中に水をたくさん飲むと、消化不良を起こす可能性があります。食事の前後30分は、水分摂取を控えるようにしましょう。
寝る前の水分摂取は控えめに: 寝る前に大量の水を飲むと、夜中に何度もトイレに行きたくなり、睡眠の質が低下する可能性があります。寝る前の水分摂取は控えめにしましょう。
まとめ:愛犬の健康は毎日の水分補給から
犬にとって、適切な水分補給は非常に重要です。
水の種類、量、温度、与え方など、様々な要素を考慮し、愛犬に最適な水分補給を行いましょう。
特に、ミネラルウォーターを与える場合は、軟水でナトリウム含有量が少ないものを選び、保存状態にも気をつけましょう。
また、愛犬の体調をよく観察し、水分摂取量が適切かどうかを常にチェックすることが大切です。
この記事が、愛犬の健康を守るための水分補給について、飼い主さんの理解を深める一助となれば幸いです。