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犬の食糞問題:なぜ食べるの?原因と対策、愛犬の健康を守る

  • えふ子
  • 2024年8月27日
  • 読了時間: 9分

愛犬が自分のうんち、または他の犬のうんちを食べてしまう光景を目にしたことがある飼い主さんもいるのではないでしょうか。

これは「食糞」と呼ばれる行動で、犬に見られる問題行動の一つです。

食糞は飼い主にとって不快なだけでなく、犬の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、犬の食糞の原因、具体的な対策、そして予防策について詳しく解説します。

愛犬の食糞行動に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。



目次

  1. 犬の食糞:基礎知識

    • 食糞とは?:定義、犬の食糞行動の種類

    • 食糞が引き起こす問題:衛生面、健康面、飼い主のストレス

  2. 食糞の原因を探る

    • 生理的な原因:栄養不足、消化不良、寄生虫、病気

    • 行動学的な原因:子犬期の学習、注目を引きたい、退屈、ストレス、分離不安

    • 母犬の本能:子犬の排泄物を食べる習性

  3. 食糞の対策とトレーニング

    • 食糞行動への対処:叱らない、落ち着いて対応、排泄物の即時処理

    • 食事の見直し:栄養バランスの良い食事、消化の良いフード

    • 環境エンリッチメント:運動、遊び、知育玩具で刺激を与える

    • しつけ:基本的な服従訓練、「ダメ」や「イケナイ」などのコマンド

    • 専門家への相談:獣医師、ドッグトレーナーのアドバイス

    • 食糞防止グッズ:忌避剤、サプリメントなどの活用

  4. 食糞と健康問題

    • 寄生虫感染:回虫、鉤虫、鞭虫など

    • 消化器系の問題:嘔吐、下痢、食欲不振

    • 感染症:パルボウイルス、ジステンパーなど

    • 異物誤飲:おもちゃ、ビニール袋など

  5. まとめ



1. 犬の食糞:基礎知識

食糞とは?:定義、犬の食糞行動の種類

食糞とは、犬が自分の糞便や他の犬の糞便を食べる行動を指します。英語では「Coprophagia(コプロファジア)」と呼ばれます。食糞は、子犬によく見られる行動ですが、成犬になっても続く場合があります。

犬の食糞行動は、大きく分けて以下の2つの種類があります。

  • 自己食糞: 自分の糞便を食べる

  • 他者食糞: 他の犬や動物の糞便を食べる

食糞が引き起こす問題:衛生面、健康面、飼い主のストレス

食糞は、飼い主にとって不快なだけでなく、犬の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 衛生面の問題: 糞便には、様々な細菌や寄生虫が含まれているため、食糞によって感染症にかかるリスクが高まります。また、口や体毛が汚れることで、飼い主や家族への衛生面での影響も懸念されます。

  • 健康面の問題: 糞便に含まれる有害物質や異物を摂取することで、消化器系の問題(嘔吐、下痢など)や中毒症状を引き起こす可能性があります。また、他の犬の糞便を食べることで、寄生虫感染や伝染病のリスクも高まります。

  • 飼い主のストレス: 愛犬が食糞する姿を見るのは、飼い主にとって大きなストレスになります。また、食糞によって犬の口臭が強くなることも、飼い主のストレスを増大させる要因となります。


2. 食糞の原因を探る

食糞の原因は様々であり、犬によって異なる場合があります。ここでは、代表的な原因を3つのカテゴリーに分けて解説します。

生理的な原因:栄養不足、消化不良、寄生虫、病気

  • 栄養不足: ドッグフードの質が低かったり、食事量が不足していたりすると、犬は栄養不足に陥り、食糞をすることがあります。特に、ビタミンやミネラルが不足している場合は、食糞行動が見られる可能性が高くなります。

  • 消化不良: 消化酵素の不足や腸内環境の悪化などによって、消化不良を起こしている犬は、未消化の食物が含まれた糞便を食べることで、栄養を補おうとする場合があります。

  • 寄生虫: 回虫、鉤虫、鞭虫などの寄生虫に感染している犬は、栄養を奪われるため、食糞行動が見られることがあります。また、寄生虫の中には、糞便を介して感染するものもあるため、食糞は感染リスクを高めることにもつながります。

  • 病気: 膵臓の病気や甲状腺機能低下症など、一部の病気は、食欲増加や消化不良を引き起こし、食糞行動につながることがあります。


行動学的な原因:子犬期の学習、注目を引きたい、退屈、ストレス、分離不安

  • 子犬期の学習: 子犬は、母犬が自分の排泄物を食べるのを見て、それを学習してしまうことがあります。また、子犬同士でじゃれ合う中で、糞便を口にすることもあるでしょう。

  • 注目を引きたい: 飼い主が自分の排泄物を片付ける際に、声をかけてくれたり、構ってくれたりすると、犬はそれを「良いこと」と学習し、注目を集めるために食糞をするようになることがあります。

  • 退屈: 運動不足や刺激不足によって、犬は退屈を感じ、食糞をしてしまうことがあります。特に、長時間一人で留守番をしている犬や、十分な散歩や遊びの時間が確保されていない犬に多く見られます。

  • ストレス: 環境の変化や、飼い主との関係性の悪化など、様々なストレスが原因で食糞行動が見られることがあります。ストレスを感じている犬は、他にも様々な問題行動(破壊行動、無駄吠えなど)を示すことがあります。

  • 分離不安: 分離不安を抱えている犬は、飼い主がいないことに対する不安やストレスから、食糞をしてしまうことがあります。分離不安は、留守番中の破壊行動や無駄吠えなど、他の問題行動も引き起こす可能性があります。


母犬の本能:子犬の排泄物を食べる習性

母犬は、子犬の排泄物を食べることで、巣を清潔に保ち、外敵から子犬を守るという本能的な行動を取ります。この習性は、子犬が離乳するまでの期間に見られますが、中には成犬になってもこの習性が残ってしまう犬もいます。



3. 食糞の対策とトレーニング

食糞の対策は、その原因によって異なります。ここでは、具体的な対策とトレーニング方法を紹介します。

食糞行動への対処:叱らない、落ち着いて対応、排泄物の即時処理

犬が食糞しているところを見つけても、叱ったり、大きな声を出したりすることは逆効果です。犬は、飼い主の注目を集めるために食糞をする場合もあるため、叱ることでかえって食糞行動を強化してしまう可能性があります。

食糞を発見したら、落ち着いて犬から糞便を遠ざけ、速やかに片付けましょう。この時、犬を褒めたり、おやつを与えたりする必要はありません。

食事の見直し:栄養バランスの良い食事、消化の良いフード

栄養不足や消化不良が原因で食糞をしている場合は、食事を見直す必要があります。

  • 栄養バランスの良い食事: 高品質なドッグフードを選び、必要な栄養素をバランスよく摂取できるようにしましょう。特に、ビタミンやミネラルが豊富なフードを選ぶことが大切です。

  • 消化の良いフード: 消化不良を起こしやすい犬には、消化の良いフードを選びましょう。獣医師に相談し、愛犬に合ったフードを選んでもらうのも良いでしょう。


環境エンリッチメント:運動、遊び、知育玩具で刺激を与える

退屈やストレスが原因で食糞をしている場合は、環境エンリッチメントを行い、犬の生活に刺激を与えることが大切です。

  • 十分な運動: 毎日適度な散歩や運動を行い、犬のエネルギーを発散させましょう。

  • 遊び: おもちゃを使った遊びや、他の犬との交流など、犬が楽しめる遊びを取り入れましょう。

  • 知育玩具: 知育玩具は、犬の知的好奇心を刺激し、退屈を解消するのに役立ちます。


しつけ:基本的な服従訓練、「ダメ」や「イケナイ」などのコマンド

基本的な服従訓練(おすわり、マテ、来いなど)を教えることで、犬の集中力と飼い主への服従心を高めることができます。また、「ダメ」や「イケナイ」などのコマンドを教え、食糞行動を抑制することも有効です。


専門家への相談:獣医師、ドッグトレーナーのアドバイス

食糞の原因が特定できない場合や、自分で対策を講じても改善しない場合は、獣医師やドッグトレーナーに相談しましょう。専門家は、犬の行動や健康状態を詳しく評価し、適切なアドバイスやトレーニング方法を提案してくれます。


食糞防止グッズ:忌避剤、サプリメントなどの活用

食糞防止グッズも、食糞対策の一つとして活用できます。

  • 忌避剤: 糞便にスプレーすることで、犬が嫌がる味や匂いをつけ、食糞を防止します。

  • サプリメント: 酵素や乳酸菌などを配合したサプリメントは、腸内環境を整え、消化不良を改善することで、食糞行動を軽減する効果が期待できます。



4. 食糞と健康問題

食糞は、犬の健康に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、食糞によって引き起こされる可能性のある健康問題について解説します。


寄生虫感染:回虫、鉤虫、鞭虫など

糞便には、回虫、鉤虫、鞭虫などの寄生虫の卵が含まれていることがあります。犬が食糞することで、これらの寄生虫に感染し、下痢、嘔吐、体重減少などの症状を引き起こす可能性があります。定期的な駆虫薬の投与や、糞便検査を受けることで、寄生虫感染を予防しましょう。


消化器系の問題:嘔吐、下痢、食欲不振

糞便に含まれる細菌やウイルス、未消化の食物などが原因で、嘔吐や下痢、食欲不振などの消化器系の問題を引き起こす可能性があります。特に、子犬や高齢犬、免疫力の低下している犬は、重症化しやすいので注意が必要です。


感染症:パルボウイルス、ジステンパーなど

他の犬の糞便を食べることで、パルボウイルス感染症やジステンパーなどの伝染病に感染するリスクが高まります。これらの病気は、子犬やワクチン未接種犬にとって致命的となる場合もあるため、予防接種をしっかりと行いましょう。


異物誤飲:おもちゃ、ビニール袋など

糞便と一緒に、おもちゃやビニール袋などの異物を誤飲してしまう可能性もあります。異物誤飲は、腸閉塞や消化管穿孔などの重篤な症状を引き起こすことがあるため、注意が必要です。犬が誤飲しそうなものは、手の届かない場所に保管するようにしましょう。



5. まとめ

犬の食糞は、飼い主にとって不快なだけでなく、犬の健康にも悪影響を及ぼす可能性のある問題行動です。

しかし、原因を特定し、適切な対策とトレーニングを行うことで、改善することができます。

この記事では、食糞の基礎知識から、原因、対策、しつけ方法、グッズ活用、健康問題まで、幅広く解説しました。

これらの情報を参考に、愛犬の食糞行動を理解し、根気強く向き合いましょう。

食糞の改善には、飼い主の忍耐と愛情が必要です。

焦らず、愛犬のペースに合わせて、少しずつトレーニングを進めていくことが大切です。

そして、困ったときは一人で悩まず、獣医師やドッグトレーナーなどの専門家に相談することも重要です。

愛犬の健康を守り、快適な生活を送るために、食糞問題に積極的に取り組んでいきましょう。


 
 
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